2018年12月1日から、次世代の映像規格4K・8K放送である「新4K8K衛星放送」が始まりました。
新4K8K衛星放送の4K放送は、現行ハイビジョンと比較して、4倍の画素数、広色域化、高いリフレッシュレート、多階調表現、輝度範囲の拡大(HDR:High Dynamic Range)などにより臨場感溢れる映像を楽しむことができるようになりました。これから、自宅やオフィス、屋外など様々な場所に4Kの映像が浸透していくことでしょう。
4K放送の映像を楽しむ際に意外と見落としているのが、ディスプレイケーブルです。
高価な映像機器やPC、テレビやディスプレイなどを揃えたとしてもこの両者間で忠実に信号の伝送を行わないとせっかくの高画質な映像を楽しむことはできません。
本記事では、4K映像を楽しむために必要なClub 3D社製のHDMI2.0bディスプレイケーブルを紹介します。
ケーブルの選択の際に、一番最初に検討する項目は規格と長さです。
ここでは、HDMI2.0bのケーブルについて説明しているので、規格の話は省きます。
必要なケーブル長は、PC(または映像機器)とディスプレイ(またはテレビ)の位置関係です。Club 3Dでは、PCからの映像をディスプレイへ忠実に伝送する4K HDMI 2.0b準拠のディスプレイケーブルを様々な用途に合わせて提供しています。
型式 | ケーブル長 | 名称 |
CAC-1311 | 1m | HDMI 2.0 プレミアム・ハイスピード・ケーブル |
CAC-1360 | 2m | HDMI 2.0 360度回転ケーブル |
CAC-1310 | 3m | HDMI 2.0 プレミアム・ハイスピード・ケーブル |
CAC-2312 | 5m | HDMI 2.0 ハイスピード・ケーブル |
CAC-2313 | 10m | HDMI 2.0 ハイスピード・ケーブル |
CAC-2314 | 15m | HDMI 2.0 ハイスピード・ケーブル |
CAC-1390 | 30m | HDMI 2.0 ハイブリッド・光アクティブケーブル |
CAC-1391 | 50m | HDMI 2.0 ハイブリッド・光アクティブケーブル |
ケーブル長の検討
自宅やオフィスなどの机上でPCとディスプレイが水平方向にレイアウトされ、かつディスプレイが20インチ台と比較的小さい場合は、CAC-1311の1mケーブルを選択します。
余分な長さのケーブルを机の上に置きたくない方には、こちらのケーブルをおすすめします。
自宅やオフィスなどでPCとディスプレイが垂直方向(モニタが机の上、PCが机の下などの場合)にレイアウトされる場合は、CAC-1360の2mケーブルまたはCAC-1310の3mケーブルを選択します。
PCとディスプレイのレイアウトの変更がある場合には、冗長性を持たせて少し長めのCAC-1310をおすすめします。
また、PCやディスプレイで居住部分を減らしたくない方は、なるべく壁側に配置したいものです。
この場合は、狭い場所でPCやモニタを接続する必要があるため、コネクタが360度回転するCAC-1360がおすすめします
オフィスなどの会議室などで4K映像を視聴する場合では、比較的長いケーブルが必要です。
6名~12名程度の会議室では、CAC-2312の5mケーブルを選択します。
壁に掛けられたディスプレイに4K映像を映し出さない場合でもPCから会議室の中央に配置したプロジェクターで映像を映し出す際には、5mケーブルはおすすめします。
20名以上の会議室での映像視聴では、CAC-2313の10mケーブル、CAC-2314の15mケーブルをおすすめします。
また、コンベンションセンターの広い会議室、セミナールーム、カンファレンスルーム、デジタルサイネージなどPCとディスプレイの距離がより離れる場合には、20m以上のケーブル長が必要です。
30mまでのケーブル長が必要であれば、CAC-1390のハイブリッド光ケーブルをおすすめします。
50mまでのケーブル長が必要であれば、CAC-1391のハイブリッド光ケーブルをおすすめします。
ケーブルの伝送性能の検討
ケーブル長が決まった後は、映像信号の伝送性能を検討します。
ケーブルの伝送性能が悪いとノイズが入ったり、画面がフリーズしたり、色合いが違ったりと忠実に4Kの高品質な映像が楽しむことができなくなります。
このためHDMI2.0などのケーブルには、信号損失を抑えるための伝導性の向上およびシールド対策などによる外乱ノイズからのノイズ耐性などが求められます。
【プレミアムケーブル】 |
このような伝送性能は、見た目やスペックなどではわかりません。
そこで、おすすめするのがプレミアムケーブルになります。プレミアムケーブルとはHDMI.org認定プログラムの試験をパスしたケーブルに付与される認定済みケーブルのことを指します。
プレミアムHDMIケーブル認定プログラムをパスしたケーブルは、HDMI 2.0b仕様の最大18 Gbps帯域幅と、ワイヤレス信号との干渉を最小限に抑えるためのEMIテストをサポートするようにテストされています。
プレミアムケーブルには、偽造防止認証ラベルが商品パッケージに付与されていますので、購入時に確認することができます。
HDMI2.0準拠を掲げているケーブルは、世の中にたくさんありますが、伝送性能が低いものが少なくありません。
高画質な映像がノイズで乱れたりした場合、PCやディスプレイを中心にノイズの原因調査を行い、結果的に原因はケーブルだったというケースも少なくありません。
このようなケースに陥らないためにも4K映像の視聴を楽しまれる方には、プレミアムケーブルの購入をおすすめします。
Club 3Dでは、CAC-1311の1mケーブル、CAC-1310の3mケーブルがプレミアムケーブルになります。
【24AWGケーブル】 |
3m以下のHDMI2.0ケーブルを選択する際には、プレミアムケーブルを選択するのが好ましいですが、それ以上の長さのHDMI2.0ケーブルを使用する際には、さらなる注意が必要です。
HDMI2.0のような高速信号を長い距離伝送すると、低周波成分はそのまま通過しますが、高周波成分は大きく減衰し、伝送距離が長いほど減衰量も大きくなります。
HDMI2.0の18Gbpsの帯域を確保し、伝送距離を延ばすためには24AWG(※1)以上の太いケーブルにする必要があります。
Club 3Dでは、CAC-2312の5mケーブルはこのような構造で伝送距離を延ばしています。
以上から、長い距離が必要なケーブルを選択するには比較的太いケーブルをおすすめします。
※1AWGとはAmerican Wire Gaugeの略称で、電線の導体の太さを表す指標です。
AWGは直径0.46インチをAWG4/0、直径0.005インチをAWG#36と規定し、その間を等比級数的に39分割したものです。
【ブースターケーブル】 |
10m以上の伝送を行うには、ケーブルを太くするだけでは対応が難しくなります。
この場合は、あらかじめ高帯域信号の減衰量を送信側でブーストするイコライザーを使用する方法があります。
このような構造のケーブルには、商品説明にブースター内蔵と記載されています。
また、ブースター無しのケーブルは双方向の伝送が出来ますが、ブースター内蔵のケーブルは、SourceとDisplayの接続コネクタが決まった一方向のケーブルになっています。
Club 3Dでは、CAC-2313の10mケーブル、CAC-2314の15mケーブルはこのような構造になっています。
また、ブースター用の電源はHDMIのコネクタからの電源を利用しているため、余計な電源用コネクタがありませんので使い勝手が非常に良いのが特長です。
【AOC:Active Optical Cable】 |
20m以上の伝送を行うには信号の減衰が大きく、メタルケーブルでは厳しくなります。
これ以上の距離を伝送するために、電気(銅)と光(ファイバー)を組み合わせたハイブリッドケーブルが必要です。光ファイバーは信号の損失がメタルと比較して殆どありません。
Club 3DのCAC-1390の30mケーブル、CAC-1391の50mケーブルは光ハイブリッドケーブルの構造を採用しています。
PCやディスプレイなどのHDMI2.0のインターフェース部分は電気でインターフェースを行い、E/O、O/Eの変換を行って、長距離伝送部分は損失が殆どない光ファイバーを使用しているため、長距離の伝送が可能です。
E/O、O/E用の電源はHDMIのコネクタからの電源を利用しているため、余計な電源用コネクタがありませんので使い勝手が非常に良いのが特長です。
映像信号を30m以上の長い距離伝送する際には、このようなハイブリッドケーブルをおすすめします。
以上で、Club 3D社のHDMI2.0bケーブルをご紹介しました。4Kの映像を楽しむために様々なケーブルの用途がありますが、購入の参考にして頂けますと幸いです。